特集 キャリアのプロが語る「エピソードの大切さ、教えます!」
株式会社リクルートエージェントキャリアアドバイザー 桜井 史
株式会社リクルートエージェントキャリアアドバイザー 桜井 史
プロフィール

社会人経験1年〜3年程度の「第二新卒」を対象とする専任キャリアアドバイザー。日々、「や りたいことがわからない」「経験が浅いので自信がない」といった、若手ビジネスパーソンたちの悩みに耳を傾け、課題解決のためのアドバイスや転職活動のサポートを行う。「企業が求めている若手人材像」にも精通している。

やりたいことに近づくためのキーワードは、これまでの人生のエピソードに隠れている。それが見つけられるかが肝心なのです。

なぜ、エピソードを整理する必要があるのですか?

選択肢が多い分、迷うことも多くなるもの。

私たちのところに、転職を考えて相談に訪れる皆さんからは「何がやりたいのかわからない」「自分が何に向いているのかわからない」という声をよくお聞きします。特に、年齢が若くて、「今のまま続ける」「新しい会社を探す」「全く違う職種に変わる」「留学する」など、多様な選択肢が用意されている人たちは、迷いも多く、自分を見失うことがあるようですね。そんな時に「自分は何を大事にしたいのか」ということを見つけるために、指針を探すのに、エピソードが生きてくるのです。

エピソードの中に「やりたいことに近づくヒント」がある。

実は、将来のことや仕事について、迷っている人は、やみくもに「やりたいこと探し」を考え続けても、だんだん焦りを感じてきて、つらくなるばかりなのです。そんなとき、過去の体験、つまり「エピソード」を整理することで、本来の自分が好む行動スタイルや環境が認識できるようになります。そこで見つけた「視点」や「軸」を仕事につなげて、「どんな風に働きたいか」「どんな環境で働きたいか」という目を持ってキーワードを探してみると、目指すべき方向に近づくことができます。

エピソードは、どのように活用できますか?

成長の可能性を秘めていることを、面接でアピールできる。

ビジネス経験が浅い若手を採用する場合、企業が注目するのは「今後、成長していけるかどうか」です。では、そんなあいまいな可能性を、企業はどこで判断するのでしょうか。ポイントはその人が「これまで、どう成長してきたか」を知ること。つまり「過去の経験」を見て、その人の今後の成長に期待できそうかどうかを測ろうとしているのです。だからどんな風に「成長してきたのか」をキチンと振り返って、話ができるようになっていると、面接などでアピールできますよ。

自分を振り返り、見つめ直せる人が評価される。

株式会社リクルートエージェントキャリアアドバイザー 桜井 史

面接など、就職や転職といった機会でなくても、過去から現在までの、自分の行動や気持ちの移り変わりを整理すると、それは自分自身の「成長の歴史」として形になりますよね。普段から、そういうモノを心がけて作っておくことは、とても良いことだと思います。その「自分史」の中には、当然、失敗や後悔のエピソードもあるはず。それを素直に認め、次に活かそうとする姿勢に、企業も可能性を感じるのです。そして、間違いなく、今の自分を成長させるための材料にもなるはずですよ。

印象に残っているエピソードはありますか?

陸上選手だった時代を振り返り、仕事選びに結びつけた。

仕事探しに悩んでいた20代男性の話が印象に残っています。「これまでで一番情熱を燃やしたことは?」と質問したところ、学生時代に陸上の長距離選手として活躍していたことがわかりました。当時の生活や練習の様子、気持ちを細かく振り返ってもらうと、目標を設定して、コツコツと地道な努力を積んでいくのが得意であることや、ライバルでもある仲間達と励まし合いながら向上できる環境が好きなことがわかったのです。

自分の気持ちよい環境もエピソードから知ることができる。

自分の秘めていた魅力が浮き彫りになると同時に、どういう環境に自分がいれば、その力を十分に発揮できるのかという、志向も浮き彫りになりました。そこで、そうしたスタイル、環境で働ける業界・職種・企業をピックアップし、会社を絞り込んだ結果、自分が「コレだ」という仕事にたどりついたのです。エピソードを整理することが、自分の魅力を十分に伝える「裏づけ」になることはわかっていましたが、自分の「好きな環境」まで見つけられることを、改めて実感しました。

エピソードを整理するコツはありますか?

「事実」と、それに伴う「気持ち」をつづっていくこと。

「事実」と「気持ち」に分けて、自分の年表を作ることからスタートしましょう。「事実:大学に入学した」「気持ち:新しい友達ができてワクワク」といったレベルで大丈夫です。仕事のことも、同様です。次の段階として、「気持ち」の部分を深掘りして、「なぜそう思ったか」まで考えて、書き加えてみましょう。さらに、そこから自分の長所・短所を引き出し、第三者に伝えられるようにエピソード化しておく。面接などの場で「自己認識ができている」という評価につながります。

株式会社リンクアンドモチベーション 代表取締役社長  小笹 芳央氏

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